前編:ミネラルの種類とは? 〜生命を支える小さな栄養素〜
私たちの体に必要な栄養素のひとつであるミネラル。
ミネラルは体内で作ることができないため、食事や飲み物から摂取する必要があります。不足すると健康に影響を与えるだけでなく、摂りすぎると体に悪影響を及ぼすこともあります。
そんなミネラルには、さまざまな種類があります。今回は、ミネラルの種類とその働きについて詳しく見ていきましょう。
ミネラルの分類
ミネラルは、体内に存在する量によって「多量ミネラル」と「微量ミネラル」の2つに分類されます。
① 多量ミネラル(主要ミネラル)
体内に比較的多く存在し、1日の摂取量が100mg以上とされるミネラルです。
骨や筋肉、血液の生成などに関わります。
② 微量ミネラル(必須微量元素)
体内にごくわずかしか存在しませんが、生命維持に欠かせないミネラルです。1日の摂取量は100mg未満とされています。
それでは、それぞれのミネラルの種類と役割を見ていきましょう。
多量ミネラルの種類と働き
1. カルシウム(Ca)
- 働き:骨や歯を丈夫にし、筋肉や神経の働きを助ける。
- 不足すると:骨粗しょう症、筋肉のけいれん、不安定な精神状態
- 多く含む食品:牛乳、小魚、大豆製品、チーズ
2. リン(P)
- 働き:カルシウムとともに骨や歯をつくる。エネルギー代謝を助ける。
- 不足すると:骨や歯が弱くなる、疲れやすい
- 多く含む食品:肉、魚、卵、乳製品
3. マグネシウム(Mg)
- 働き:筋肉や神経の働きを正常に保ち、血圧の調整を行う。
- 不足すると:筋肉のけいれん、不整脈、イライラ
- 多く含む食品:ナッツ類、海藻、玄米、豆類
4. ナトリウム(Na)
- 働き:体液のバランスを保ち、神経や筋肉の働きを助ける。
- 不足すると:脱水症状、食欲不振
- 多く含む食品:塩、味噌、醤油、漬物
5. カリウム(K)
- 働き:ナトリウムとバランスをとり、血圧を調整する。
- 不足すると:高血圧、筋肉の脱力感
- 多く含む食品:バナナ、芋類、アボカド、ほうれん草
サンミネラル君
後編:微量ミネラルの種類とその働き
前編では、多量ミネラルについて紹介しました。
後編では、体内にごくわずかしか存在しない微量ミネラルの役割と働きを見ていきます。
微量ミネラルの種類と働き
1. 鉄(Fe)
- 働き:赤血球をつくり、酸素を全身に運ぶ。
- 不足すると:貧血、めまい、疲労感
- 多く含む食品:レバー、ほうれん草、赤身の肉、ひじき
2. 亜鉛(Zn)
- 働き:免疫力を高め、傷の回復を助ける。味覚を正常に保つ。
- 不足すると:免疫力低下、味覚障害、肌荒れ
- 多く含む食品:牡蠣、肉類、ナッツ
3. 銅(Cu)
- 働き:鉄の吸収を助け、赤血球の生成をサポートする。
- 不足すると:貧血、骨の異常
- 多く含む食品:レバー、ナッツ、豆類
4. マンガン(Mn)
- 働き:骨の成長を助け、酵素の働きをサポートする。
- 不足すると:骨の発育障害、疲労感
- 多く含む食品:玄米、ナッツ、豆類
5. セレン(Se)
- 働き:抗酸化作用があり、細胞の老化を防ぐ。
- 不足すると:免疫力低下、心疾患のリスク増加
- 多く含む食品:魚介類、卵、ナッツ
6. ヨウ素(I)
- 働き:甲状腺ホルモンの生成を助け、新陳代謝を促す。
- 不足すると:甲状腺の異常、発育不良
- 多く含む食品:海藻類(昆布、わかめ)、魚介類
7. クロム(Cr)
- 働き:糖質や脂質の代謝を助ける。
- 不足すると:糖尿病のリスク増加
- 多く含む食品:肉類、魚介類、全粒穀物
8. モリブデン(Mo)
- 働き:体内の有害物質を分解し、デトックス効果を持つ。
- 不足すると:代謝異常
- 多く含む食品:豆類、レバー、玄米
まとめ:ミネラルの種類とバランスを意識しよう
ミネラルには、「多量ミネラル」と「微量ミネラル」があり、それぞれに重要な役割があります。どれか1つが不足しても、体の働きに影響を与える可能性があるため、バランスよく摂ることが大切です。
特に、日本人は鉄・カルシウム・マグネシウム・亜鉛が不足しがちと言われています。これらを意識的に摂取しながら、健康的な食生活を心がけましょう!