不老通信『米の価格とミネラル』

【前編】お米の値段が上がった日

「ねえ、お米、また値上がりしてたよ」

夕飯の支度をしながら、主婦の陽子はため息まじりにつぶやいた。スーパーでいつも買っていた5キロのお米が、ついに千円を超えたのだ。家計簿をつけながら、じわじわと押し寄せる値上げの波に、ため息も深くなる。

「毎日食べるものなのに、こういうのが一番こたえるのよね…」

それでも、ごはんは日本の食卓の主役。陽子は工夫して、少しでもお米を無駄にしないようにと、残りご飯でおにぎりを作ったり、雑炊にしたりしてやりくりしている。

その晩、家族に出したのは、雑穀ごはんとお味噌汁、焼き魚に小松菜のおひたし。

「今日は雑穀ごはんなの?」と中学生の息子が聞いた。

「うん、栄養バランスを考えてね。それに、ミネラルもたっぷりなんだから」

そう答えながら、陽子はふと思い出した。実家の母がよく言っていた言葉——

「食べ物の価格は変わっても、体にいいものを選ぶ気持ちは変えちゃだめよ」

高くなったお米に戸惑いながらも、陽子は気づいていた。米や野菜の栄養、その中に含まれるミネラルが、家族の健康を支えてくれていることに。

サンミネラル君


【後編】ミネラルと、これからの食卓

翌朝、陽子は台所で家族のお弁当作り。前の晩に炊いた雑穀入りご飯を使って、梅干しおにぎりと、昆布の佃煮を添えた。ミネラルたっぷりのシンプルなお弁当。

「食材が高くなっても、栄養のあるものをちゃんと選べば、体は答えてくれるはず」

そう思いながら、息子の成長期の体に、夫の疲れた身体に、何を食べさせるかを考える時間が、陽子の毎日の小さな努力でもあった。

実は、ミネラルは「ほんの少し」で体に大きな役割を果たす栄養素。カルシウムや鉄、マグネシウム、カリウムなど、どれも欠かせない大切な成分だ。

特にごはんは、精白米よりも、雑穀米や玄米にすると、ミネラルが豊富に摂れる。わかめやひじき、豆腐や納豆、野菜類と組み合わせれば、自然にバランスも整ってくる。

「お米は高くなっても、ごはんってやっぱり安心するわね」と夫。

「うん。ちゃんと食べると元気出る」と息子。

陽子は微笑みながらうなずいた。

“値段”にばかり目を奪われていたけれど、「栄養」という目に見えない価値があることに、改めて気づかされた春の朝だった。

これからも、日々の食卓の中で、ミネラルを意識したやさしいごはんを。お米の価格が変わっても、家族の健康を支える「知恵」と「工夫」は、変わらない。